ローコスト住宅VS中古+リノベーション|本当に得なのはどっち?

ローコスト住宅VS中古+リノベーション|本当に得なのはどっち?
不動産購入
「こだわりの詰まった一戸建てを建てたいが注文住宅は予算に合わない」
家を建てるときは大きな買い物になるため、予算の上限という壁を超えることはそうそうありません。
住宅を購入する場合、一戸建てとマンションの2択で迷うケースもあれば、新築か中古かで迷うケースもあり、購入時の選択は次から次へと迫ってきます。
予算が見合わないけれど、一戸建てを希望し、新築や新築並みの物件探しをするなら、今回のテーマである「ローコスト住宅か中古+リノベーション」の2択で迷うことが多いのではないでしょうか。
今、ローコスト住宅も中古+リノベーションも注目を集めている住宅になります。
どちらも限られた予算で一戸建てを希望する方には適している住宅になるため、本記事で解説する比較記事を参考にし、長く住み続けられる住宅を購入しましょう。
では、早速1章ではローコスト住宅について解説していきます。

まずはローコスト住宅を知ろう!

地域によって一戸建てを建てるときの価格は変動があります。また、ハウスメーカーによる注文住宅、設計事務所による一からデザインする住宅、建売住宅、ローコスト住宅など、どんな種類の一戸建てを選ぶかによって相場にも影響が出ます。
ローコスト住宅とは、一般的に地域の相場よりも費用を削減できる一戸建てになり、子育て世帯や若年夫婦でも比較的購入しやすい価格帯で持ち家を所有できる種類になります。

●ローコスト住宅の費用
安さを売りにしているローコスト住宅ですが、具体的な費用面が分からなければどの程度割安なのか見当もつきません。
では1−1章ではローコスト住宅の具体的な費用感を紹介していきます。
※一部地域によって費用に差が出ます。
坪単価の比較では、一般的な住宅では坪50〜60万円程になりますが、ローコスト住宅では坪30〜50万円程度まで抑えることが可能です。
また大手ハウスメーカー建築では坪70〜80万円となるため、大手ハウスメーカーとローコスト住宅を比較すると、ローコスト住宅の方が予算面ではかなり抑えられることが分かります。
上記の坪単価を踏まえ、建物の坪数に当てはめていくと、建物自体の費用感が分かります。

 

ローコスト住宅の安さの理由

ローコスト住宅の費用感が分かったところで、次に「なぜここまで費用を安くできるのか」という疑問が生まれるはずです。
安いからこそ欠陥なのではないか、オプションを付けるとどんどん費用が上がっていくのではないか・・・など、その疑問は答えが分からない限り尽きないでしょう。
では2章ではローコスト住宅の安さの理由を4つに絞って探っていきましょう。

1,人件費の工夫
案件ごとにプランやデザインが異なると、職人の作業が労力、時間共に長くかかります。作業が長ければそれだけ人件費も比例するでしょう。
しかし、ローコスト住宅は、似たようなプランの住宅をまとめて建築するため、工場で資材をまとめてカットすることができ、その分現場での作業に無駄が発生しません。
こういった工夫から、人件費を削減でき、また現場で行う複雑な作業を減らすことで、安くても安全な住宅を建てることができるのです。

2,材料費の工夫
同様のプランの住宅を何棟も建てるため、同じ資材を大量に仕入れることができ、1つ1つの材料費のコストカットが実現できています。
工務店などの住宅は大量仕入れが難しいため、材料費がそれだけ割高になり、建物価格に反映されてしまいます。

3,広告宣伝費の工夫
大手ハウスメーカーとは違い、地域限定で流されるCMに注力していることで広告宣伝費が削減できます。
また、住宅展示場に出店をせず、完成形の住宅を内見に利用することで、広告にかかる費用を建物価格に反映できているのもローコスト住宅の工夫と言えます。

4,設備・仕様・建具の工夫
土地の形状が歪であれば、それだけ建物を建てる前段階の作業工程が加わります。ローコスト住宅は、真四角な建物にし、プランを画一化したり、キッチン、バスルームなどの仕様を低めに設定することで、全体的な費用をコストカットできています。

中古+リノベーションのメリット・デメリット

ローコスト住宅がなぜ安いのか、どんな住宅なのかが理解できたところで、中古+リノベーションと比較し、果たしてどちらが得になるのかを3章では解説しましょう。
建築費用を抑えるという観点からでは、ローコスト住宅の他、中古+リノベーションという選択肢も忘れてはいけません。
中古+リノベーションは3つのメリットがあります。

1. 自分だけの家をつくることができる
2. エリアが限定されない
3. 新築戸建よりも安い場合がある


1,自分だけの家をつくることができる
既に建物は建っているため、どの程度工事を入れるのかによって、住宅が様変わりし、フルリノベーションともなるとまさにこだわりの家を実現できます。
フルリノベーションとは言わずとも、古くなった設備を最新設備に変えたり、床材を断熱機能の高い床材に変えたり、耐震性能を現行の基準に合わせる工事を入れたりと、広さや築年数によって建物購入価格が抑えられる分、工事費に充てられます。
また、既に住宅を所有しているなら、新たに購入するよりも適材適所にリノベーションすることで資産を維持させることもできます。

2,エリアが限定されない
国土の狭い日本では、新築住宅が建つ場所は駅前という立地はかなり珍しく、最寄り駅からバス便や車移動になる郊外なことが多いのが特徴です。
一方、既に建てられている中古住宅は、最寄り駅から徒歩圏内で売却に出されることも多いため、エリアを広げて購入することができます。

3,新築戸建よりも安い場合がある
中古戸建を購入しリノベーションをすると、新築戸建よりも2〜3割程度コストを抑えることができると一般的には考えらえています。
しかし、これは工事の範囲にもよるため、一概に言えるものではありません。
リノベーション目的で中古戸建を購入する際は、資産価値の下落幅が緩やかになる築15〜20年程度の住宅がちょうど良いと言われています。
しかし、築30年を超えた戸建になると旧耐震基準を基準としている建物である可能性もあるため、現行に合わせた工事が追加で必要になり、全体費用が高くなることも考えられます。


次に、購入する中古住宅によって、後にリノベーション工事を入れても新築住宅と比べ、費用が抑えることができる中
古+リノベーションですが、ここで注意点も2点解説しておきましょう。

1. 工事に入らないと分からない箇所がある
2. 入居までにはある程度の期間が必要


1,工事に入らないと分からない箇所がある
建物の本当の内部劣化は、工事に入らないと分からないことは良くある話です。
例えば、基礎がどれだけ補強が必要で、どこまで劣化しているのか、また天井裏や柱や梁にシロアリは発生していないのかなど、見えない箇所の補修工事費用が上乗せされる場合もあります。
対策としては、住宅診断士などに事前に調査してもらうのも1つの方法ですが、調査費用は別途用意しなければいけません。

2,入居までにはある程度の期間が必要
工事の規模によって異なりますが、設計、仕様の打ち合わせが段階的にあるため、購入後にすぐ入居したい方には中古+リノベーションはおすすめできません。
簡単なリノベーションなら1週間程度で完成しますが、この記事を読まれている大半の方はフルリノベーションに近い工事範囲と想定します。
工事によって1ヶ月以上かかることもあり、その間の仮住まいも確保しておかなければいけません。

ローコスト住宅のメリット・デメリット

一方、ローコスト住宅はどうでしょうか。まずメリットをおさらいしていきましょう。

1. 住宅ローンの軽減
2. 入居までがスムーズ
3. 預貯金等を備えられる


1,住宅ローンの軽減
住宅の購入費が抑えられるローコスト住宅は、住宅ローン利用時も借り入れがしやすく、返済も負担なく生活できることが最大のメリットと言えます。
返済期間を長く設定すれば、月々の返済額もさらに抑えることもでき、毎月の家計も圧迫しません。

2,入居までがスムーズ
既に完成形を見学しているなら、いつでも入居ができる状態です。現在建築中でも4ヶ月程で完成するため、工期スケジュールと引っ越し時期を擦り合わせながら、計画的に引っ越しスケジュールを組むことができます。

3,預貯金等を備えられる
安さが売りのローコスト住宅は、購入時にかかる費用を抑えらえると幾度と解説してきました。
もし、見込んでいた予算を遥かに下回った場合、その分を家具や家電などの買い替えや、将来の預貯金に備えることもできます。


ただし、いいことづくしだけではなく、やはり注意点も理解しておかなければいけません。ここでは、デメリットを3つ紹介しましょう。

1. 自由度の低さ
2. 標準仕様は好みが分かれる
3. 基本性能が劣る


1,自由度の低さ
プランや設備が画一化されているローコスト住宅ですが、画一化されているために間取りなどの自由度は比較的低くなります。
自分だけの家をつくりたいと考えている方には、ある程度自由度の高い中古+リノベーションが合っているでしょう。

2,標準仕様は好みが分かれる
規格化されている設備を取り入れているため、キッチン設備や水回りなどはシンプルな標準仕様を採用しています。
タッチレス水栓や、キッチンの高さを変えたいなどの細かな希望を持っている場合は、中古+リノベーションの方が希望に近い設備を入れることができます。

3,基本性能が劣る
断熱材や使う資材はどれも同じグレードではなく、物によって異なります。耐震基準、防火基準などは、もちろん基準に沿った上で建てられていますが、コストを削減するために安価な資材を使用している場合があります。

まとめ

2つの住宅を比較したことで、求めている住宅がローコスト住宅なのか、中古+リノベーションなのかが精査されたのではないでしょうか。
ローコスト住宅はこのような希望を持っている方におすすめな住宅です。

● 予算は抑えたい、でも新築がいい
● 設備にこだわりがあまりない


一方、中古+リノベーションは、

● 郊外ではなくエリアにこだわりがある
● 自分だけの住まいを求めている
● 家族に合った家をつくりたい


住宅に何を求めているかによって、どちらが得となるのかは結果が分かれるものです。
マイホームは時間をかけて決めていく必要があるため、家族で話し合い、あなたの理想の住まいを実現しましょう。

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